消費者金融大手の生き残り戦争が幕を開けた。先手を打ったのは、26日にTOB(株式公開買い付け)による経営統合を発表した業界3位のプロミスと5位の三洋信販。業界では市場規模が急速に縮小する現状への強い危機感が高まっている。
両社の交渉が始まったのは昨年12月。「灰色(グレーゾーン)金利」の撤廃を盛り込んだ改正貸金業法が成立したのと同時期に、三洋信販から申し入れたという。
三洋信販の松本睦彦社長は26日の会見の中で、統合を決断した理由を、「業界上位との差は大きく、改正法の影響が先行き一段と厳しくなるなかで、このままでは縮小均衡を余儀なくされると判断した」と説明した。
激しい逆風に強い危機感を抱いたのはプロミスも同じだった。神内博喜社長も「統合によって、抜本的なコスト構造改革と収益基盤の拡大を図ることで競合に対する優位性を確保する必要がある」と、交渉に応じることを決断した。
両社は、シェア拡大による規模のメリットを追求する一方で、重複店舗舗の統廃合など、具体的なリストラ策の検討を急ぐ考えだ。
≪大きいリスク≫
ただ、減少の兆しがみえない過去に支払われた灰色金利の返還請求の先行きに加え、灰色金利の撤廃と同時に導入される融資の総量規制の影響が見えない中での統合はリスクも大きい。実際、業界内では「M&A(合併・買収)の青写真はいくつもあるが、今は動きようがない」(他の消費者金融幹部)との声が聞かれる。
そうした中で、両社が先陣を切れたのは、個人向け融資に力を入れている三井住友銀行が、両社の背後に控えていたことが大きい。
プロミスは、同行が発行済み株式の約20%を持ち業務提携関係にあり、役員も受け入れている。三洋信販の松本社長は三井住友銀行出身だ。
神内社長は「交渉は自分たちの決断で行い、最終段階になって相談した」と銀行主導を否定したが、「統合のための資金面では三井住友銀が協力する」とも述べ、消費者金融事業の強化を図りたい同行の意向をうかがわせた。
松本社長も「プロミスグループ、そして三井住友グループ入りすることで、いっそうのステージが広がると考えている」とし、三井住友ブランドを意識したことを認めている。
「零細業者まで含めると1万4000社ある業者は3年後には1割になる。再編というよりも生き残り戦争だ」(日本消費者金融協会幹部)
統合に尻込みし先を越される形となった他社がいっせいに動き出す可能性は高い。グループに大手消費者金融を持つ他のメガバンクの戦略もからみ、再編が一気に加速しそうだ。